妙定院には、文化人でもあった開山定月大僧正の書画、定月大僧正に帰依しやはり文人であった家重公ゆかりの、またそのもとの江戸城幕府重臣・大奥老女方寄進の、什宝物を数多く所蔵しています。

明治に入ってからも、養鸕徹定(うがいてつじょう)・浄士宗管長はじめ、有縁の人々から書画が寄せられました。
いずれも、本堂・書院・庫裡など先の大戦で焼壊したなか、激しい空襲を免れた士蔵に収蔵されたため、昔日の姿をそのままに残した貴重なものです。

その一部を紹介します。

法然上人伝絵詞[琳阿本(りんなぼん)]全九巻(浄土宗宗宝・東京都港区指定文化財)
善光寺式阿弥陀三尊立像 桃山時代〜江戸時代初期
(東京都港区指定文化財)
二十五菩薩来迎図厨子入阿弥陀如来立像 江戸時代
琴棋(きんき)書画図屏風 狩野深雪筆 六曲一双(東京都港区指定文化財)
瑜伽師地論(ゆがしじろん)第六十六(法隆寺一切経の一)一巻
奈良時代(東京都港区指定文化財)
出山釈迦図(しゅっさんしゃかず)
円山応挙筆 1782年
(東京都港区指定文化財)
名体不離阿弥陀如来来迎図
月僊(げっせん)筆 1780年頃

妙定院展

先の大戦での空襲により、当院は本堂をはじめほとんどすべての伽藍を失いましたが、ただ土蔵のみがその難を逃れたため、東京では稀な江戸期から伝えられた仏教遺産を現代に伝えております。「妙定院展」は、平成の総伽藍落慶によって可能になった機会を得て、当院所蔵の文化財を広くご紹介するものです。毎年11月の文化の日前後の3日間で毎年テーマに沿って公開しております。

さらに妙定院展では、東京都が主催する「東京文化財ウィーク」に協賛し、国の登録有形文化財である熊野堂・上土蔵(浄土蔵)の内部公開を隔年で交互におこなっております。

当院は開かれた寺院を目指しております。この小展を通じ、伝統仏教文化を目の当たりにされ、仏教や法然上人はもちろん、江戸期を中心としたわが国の高い文化水準に触れていただければ、これに過ぎる喜びはありません。